ぺっぺけぺの雑記

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奨学金 返済 完了

奨学金の返済完了の通知が来ました。

 

大学をストレートで卒業し、今36歳。

随分かかった。とも思うし、卒業時の「うえー、やたら長いなあ」と思った時の感覚からしたらあっという間、とも感じます。

 

え、おれ今36かよ。オヤジじゃねーか。

 

頭が悪かったので、もちろん有利子の方です。

月々の返済額は大したことなかったけど、借金持ちという意識がちょっと生活を暮らしづらくさせていたような気もします。

まとめて返せることを知らなかった私も悪いんですが。

 

最近、就職ができずに奨学金が払えない、などというニュースを、たびたび目にした気がします。

確かに、ろくに貯金もせずに就職しないまま大学を出てしまったら、そこから借金返済なんて出来ないかもなあ、とも思います。

 

ただやっぱり、借りたものを返せない、だから返せない額を貸したほうが悪い、という論調には違和感を感じますね。

どんなに悪徳ローンでも、それを知ってか知らずか、でも借りたのは本人ですからね。

 

奨学金自体を「お金を借りている」という意識では受け取っていないひとが多いんでしょうか。

 

今ほどではないですが、奨学金の返済が滞ることについては、私が借りていた当初も問題にはなっていたようで、卒業時に学校の方から釘を刺された覚えもあります。しっかり返せよ、と。

 

私は運良く就職でき、しかし金もないのに一人暮らしを初めた1年目、ベビースターを主食にし、10キロほど痩せながらも、月々の奨学金は返済できていました。

今は晴れて+20キロです。

 

転職に失敗し、うつを発症して休職し、パチンコにハマって貯金を使い果たし、借金を10万程こしらえた(アホ)時も、何故か奨学金の返済は続けられてました。

……なんでだ?

(5年以上前の話で、もう今はギャンブルしてません。)

 

なんだかんだあって、元いた会社に戻ることが出来、今は大体1000万くらいは貯められたのかなあ?(財形だからよく把握してません。こんなんだから借金こさえry)

 

変な話を出しましたが、ようはお金のない時でも、奨学金は返済し続けた、ということです。

月々の額自体で見れば、働けていればそこまで大きな額ではないし、なんとか返せそうな気もするのです。正直、バイト程度の収入でも十分返せると思います。

ベビースターが主食になるかもしれないけど。

 

そんなことから、『払えない』という人は、はじめから返す気のない人たちなのではないのかな、と思っています。

 

もともと、何のために大学に行くか、そこからの話になりそうです。

 

私の話で恐縮ですが、大学受験の頃、私は自分がなぜ大学に行きたいか、そんなことはまったく考えていませんでした。

生物が好きだったので、生物受験ができる所を探し、「落ちたら働けばいいや」くらいの感覚でした。

 

当時、そんな感覚を親に話したら、親は必死になって大学に行くことを勧めました。

両親はどちらも大学に行っていません。私の祖父も行っていません。

 

後から聞いた話ですが、祖父の葬儀の時、祖父の務めていた会社(高砂香料)の方が来て、「とても優秀な方でした。もし大学を出ていれば、もっと会社の上の方まで行っていた方でした」と言われたことが、両親の心にとても響いていたようでした。

 

今は昔ほどではないかもしれませんが、やはり学士とそれ未満の学歴では、社会に出てからの進路の幅に大きく差が出ます。

それを身にしみて知っている世代としては、自分の子供により多くの選択肢を持たせたい、と思うのは至極自然ですよね。

 

そんな必死な親の前で、当人はというと前述のとおり。

それでも懲りずに勧めてくれた親に、今はとても感謝しています。

 

現在の日本では、大学を出たか出ていないか、そのことが非常に就職の幅に効いてきます。

能力の補充、という形で、時期にこだわらず採用をする外国とは違い、一斉に新卒採用をする日本の場合、大量の応募者をふるいにかける手段として、学歴が使われます。

今わたしがいる会社も、私が入った頃には高卒をとっていましたが、安定したためか、今は大卒しか取っていません。

 

また、社会に出てからも、お客さんと大学の話になったりもします。上の方へ行けば行くほど、大学を出ている方が大勢いますし、大学出か否か、を気にする方も少なくありません。

そのあたりはコミュニケーション能力があれば「絶対に大学出てないとダメ」ということもありませんが、共通の話題があるということは強みになりますし、弱点は少ないにこしたことはありません。

 

本来、大学というものは、「勉強したいから」行くべき所なのでしょうが、高校時代、「一応、その地域では二番目の進学校」にいた私の感覚では、「私はこの勉強がしたいからこの学校に行く」という人は、全体の半数にも満たなかったような気がします。

 

なんとなく、モラトリアム時代を引き伸ばしたいから、用意された「大学」という場に行く。

私含め、そのような感覚で大学に行く人が多いのではないでしょうか。

 

それはそれでいいと思います。

前述のとおり、大学に行ったほうが、現在の日本ではその後の人生に有利に働くことが多いので。

 

ただ、曖昧な考えで大学に行く人は、「大学は、それまでの機関とはケタ違いのお金がかかる」という現実がイマイチわかっていないのではないでしょうか。

私もそうでした。

 

ボーっと講義を受けていた大学二年の頃、親に「お願い、いい加減、奨学金を取って」と言われ、学費を改めて確認し、たまたま募集していた奨学金に申し込み、振り込まれた数十万を親に渡した時、私はやっと、でもまだ曖昧な理解度で、なんとなく「大学はお金がかかるんだなあ」と自覚しました。

 

4年になり、単位ギリギリで卒業が確定し、小さな会社から内定をもらい、さあ卒業だ、という時点で「毎月~円、36歳で完済」という通知を見た時、ものすごくゲンナリしました。

初めて、借金と返済をリアルに感じられた瞬間でした。

 

私はその時点で就職できていましたから、その後の返済も(多少キツイ時期はありましたが)滞り無く済ませることが出来ました。

 

ただ、そこで考えるのです。

もし就職できなかったとして、奨学金の返済を踏み倒すようなことをするかな?と。

 

自分の性格からして、多分、出来ないんじゃないかと思います。

もし親に頭を下げてなんとかなるならそうしますし、バイトしてなんとかなるならそうするでしょう。

(親にどうこうは非常にカッコ悪いので、本当にどうしようもない場合でしょうが、他人に迷惑をかけるぐらいなら自分のプライドとか親を悲しませるとかいってられません)

何とかして、どうにかなる方法を探します。

「借りたものは返す」というのは、ずっと小さい時から当然のこととして学んできていることですから。

 

奨学金の返済が出来ない、という人は、それさえも出来ない人たちなのでしょうか。

考え方が違う?能力が違う?バイトも出来ない?食っていけないほど、家族全員が困窮している?

ならなぜ大学に?何のために大学に??

そこまでして行きたかった理由があるのであれば、何らかの結果は卒業時に出ているのではないでしょうか?

 

奨学金を返せない人にとって、奨学金=借金を受け取ってまで大学に行く必要が、果たしてあったのでしょうか。

親御さんは、子供に借金を負わせ、それでも大学に行かせたいと思ったのでしょうか。

その結果、「返済できない」という最悪の事態を、重く考えることはなかったのでしょうか。

 

はじめに言ったように、「奨学金悪徳ローン」みたいな論調に、とても違和感を感じます。

もしかしたらそうかも知れず、昔と比べて返しにくい形になっているのかもしれません。

ただ、そうだとしても、「自分がお金を借りた」という事実はれっきとして存在しています。

 

消費者金融を例にあげても、高い利率は問題になりますが、「借りる人」も十分問題のある人、という認識はだいたい納得されると思います。

 

それが「奨学金」という名前に変わった途端、「返さなくても良いお金」という感覚を引き出しているのでしょうか。無利子の方(=成績優秀)ならまだしも、有利子のほうを借りる場合、そんなことはありません。

 

もう少し、「お金を借りた」という事実をしっかりと受け止め、自分の責務を粛々とはたすべきなのでは、と思います。