ぺっぺけぺの雑記

くそったれプログラマの素晴らしきくそったれ



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転職

ITエンジニアをしていると、Webをみる機会が多くなりがちです。

その殆どはプログラミングでの調べ物ですが。

私は自宅でも趣味プログラミングをしているので、なおさら機会が多くなります。

 

そうしているとよく、転職の広告を見かけますが、いつも思うんですよね。

「転職サービスの会社で働いている人は、転職したくならないのかな?」って。

本当によい転職が出来るサービスを提供できる会社であれば、真っ先にその会社のスタッフが転職しそうなものですが。

 

なんてうがった考えであることは百も承知ですが、転職をさもいいことのようにどんどん勧める広告には、ちょっと疑問を感じます。

 

転職の広告以外にも、「あなたは損をしている」系の広告を見ると「うるせー余計なお世話だ黙ってろ」と思ってしまう性格なので、仕方ないですけどね。

 

転職を求めている人にとっては、もしかしたら有益な情報なのかもしれません。

ただ、転職は今の日本ではまだまだそこまで一般的ではなく、デメリットが多い行動だと認識したほうが良いのではないかと思います。

 

まともな職場にいない人は、すぐにでも転職した方がいいでしょう。

私がまともではないと考える職場は、

 

1.そこにいて鬱になった(もしくはなりそうで、物理的に回避できそうにない)

2.人間関係が悪く、やはり回避できない

3.ワタミのアレみたいな社長がいる

 

といった会社です。曖昧ですね。

 

一つ目。

その職場に合う・合わないは、人によってかなり違います。

ある人にとっては楽ちんな業務でも、別の人にとっては耐えられない業務、という仕事はたくさんあります。

 

例えば私は、プログラミングが大得意なため、先端の技術を使う仕事のほうが当然楽しいですが、fortranとCの入り混じったコードの解析でもそこそこの速さでこなすことが可能です。

知らない言語でも、2週間もあれば普通にものを作れる自信があります。

 

逆に、経理の帳簿管理や消し込み、財務の仕事などは吐き気をもよおすレベルで出来ませんでした。丁寧にやっているつもりでも、何度やっても数字が合わない。

 

現在、見積りや請求書管理でお金の処理をすることもありますが、それを専門になど絶対に出来る気がしません。経理さんいつもありがとう俺には無理です。

 

ふたつ目の人間関係。

前述の経理の仕事ですが、実際に転職に失敗した時の話です。

転職前にはこの企業はネット上でも(あの巨大掲示板でも)超がつく優良企業として認識されていました。

 ただ、私の上司についた人とど~~~しても性格が合わず、仕事が出来ないことも相まって、半年足らずで鬱になり、傷病手当のお世話になりました。

その人以外の先輩方は、上から下までみんな気の合ういい人ばかりでした。

ただたった一人、直属の上司とだけウマが合わず、精神をやってしまいました。

 

今考えれば、ひとつ上の上司に訴え、部署替えを要請することも出来たかもしれません。ただその時は「IT担当」として入った自分が、たった二人しかいないIT管理者から抜ける訳にはいかないと、自分を追い詰めてしまったんですね。

結果、傷病手当をもらえるだけもらって退職したんですけど。

 

みっつ目はまあ冗談ですが、頭おかしい企業には行かないほうが良いし、頭おかしい企業とわかった時点でとっとと逃げるのが一番ですね。

そこでこそ力を発揮できる!という特異な人でない限り。

 

私が危惧するのは、まだ成長途上の人が、今の場所にいれば満足度60%で仕事を続けていけるのに、その60%を70にも80にも、自分の努力で変えられる可能性があるのに、変な言葉と疑心暗鬼に襲われ、10%の保証さえない道を選んでしまうことです。

 

特にこの疑心暗鬼(=今の場所よりももっといい場所があるんじゃないかという思い)は、出来ない人よりも出来る人間が圧倒的に陥りやすいワナです。

 

当然ながら、出来る人の周りには出来る人が集まります。

そんな人達の中には、自分よりも好条件で働けているようなことを話す人もいます。

給料や休日、仕事内容、会社の展望……

 

そんな人達に誘われ、同じ待遇で入社できる、というのであれば、転職をしてもいいかもしれません。

それでも勝率、つまり今の仕事場よりも総合的な状況が良くなる確率は、50%くらいなのではないか、と私は思っています。

その人よりも下の待遇で入る、となると、まず状況が良くなることはありえないと思われます。

 

仕事場で大事なのは、自分にマッチした仕事内容であることは言わずもがなですが、それ以外にも、人間関係や意見の通りやすさ、与えられる物理的な環境なども大切な要因です。特に人間関係は物理的には見えないため見極めが難しく(ほぼ不可能)、何かが起きた時にも、自分だけではどうしようもない場合が多いです。

 

いわんや転職サービスを使った場合、新しい会社の本当の環境など、新卒で就職活動をした時よりももっとわかりづらいものだと思われます。

よほどの能力の有る人以外では、勝率は10%未満なのではないでしょうか。

 

私の知っている中では、一番能力のあると思われる人が、さんざん転職を繰り返し、最近やっと正社員として落ち着きました。もう40超えていますので、それまで転職を繰り返せたのもスゴイといえばスゴイのですが。

 

普通の人以上のプログラミング能力もあればお客様との折衝能力も高く、何ならコンサルとしてでも十分やっていけそうな能力を生まれつき持っている人で、どこにいっても頼られる存在でしたが、数ヶ月~長くても1年位すると「この会社は自分に合わない」と、さっさと転職してしまうのです。

能力があるため、次の仕事も割とすぐに見つかるのですが、35を超えた頃でしょうか、

私よりも4つ年上の彼の年収が、私の年収よりも下がり初めたのは。

 

いくら能力があっても、特殊な国家資格でも持っていないかぎり、転職したての人間に日本の会社は法外な給料など払いません。

転職を繰り返していては、基本的な給料が上がらないのは当然ですね。

 

私自身、転職を数回繰り返し、幻想は幻想でしかなかったことを身にしみて感じました。大きなグループ会社も10人足らずのベンチャーも経験し、同じような会社は一つもなく、また「もっとも自分にあった会社」などというものは存在しないこともわかりました。

 

私ははじめに入った会社がとても自分に合っており、また戻ってこれたので、かなり運がいいほうだと思います。

 

外を見てきたことによって、私はいくつかのことに思い当たりました。全て当然のことではあるのですが。

 

・人がよいという場所が、必ずしも自分よい場所である保証などない

・「よい」といわれるところを求めるより、今自分がいる場所を良くしていくほうがよほど確実

・上記の可能性があるなら、転職はしないで、今の場所で努力するほうが楽

 

要は、他人任せ(=人が作った良い環境)でいいとこだけ取ろうという精神では、多分転職してからも不満は消えないだろう、ということです。

 

「今の環境を変える」など、結構むずかしいことだと思いますよね。実際難しいです。

会社の不満点などを自分で変えようとするのであれば、当然それなりの発言権が必要となります。

そのためには周りに認められるだけの能力が必要ですし、また能力を認めさせるだけの売り込み能力も必要となります。

(この「売り込み能力」がない人が圧倒的に多いのですが……自信のある人ほど、自分を売り込むことを卑下する、もしくは面倒臭がる傾向が強いですね。職人気質、といえば聞こえはいいですが、両方持っている人間の目には「能力の欠如」とうつります。そして経営者は商売人のため、ほぼ確実にこの目線を持っています。)

 

ただし、仕事に対する技能的な能力も売り込み能力も、転職する上では当然必要な能力なんです。その必要とする幅は場合によって異なりますが。

 

転職もありかもしれませんが、何の保証もない一か八かのかけをする前に、まずは居なれた今の職場で、必要な能力を鍛えあげるのも一つの手では無いでしょうか。

転職を考えられている方がこれを読んだのであれば、 もし可能性があるならば、自分の職歴を汚す前に、考え、行動してみることをおすすめします。

 

 

あ、でも精神崩壊待ったなしとかいう状況の場合はハヤクニゲテー