読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ぺっぺけぺの雑記

くそったれプログラマの素晴らしきくそったれ



ほしいものリスト

挫折っていわれても

夢と挫折、ねえ。

挫折したことなんかいくらでもあるけど、そこで終わったと考えることが本当の終わりであって、細々とでも夢に向かって歩き続けられれば、本当の意味での挫折なんて、そうそうないんじゃないかな。

一旦、その夢を諦めても、ある拍子にまたその夢へ向かって歩き出してもいいと個人的には思っている。

そう考えると、死ぬまで本当の挫折はそうそう訪れそうにないなあ。
自分の努力ではどうにもしようがない、そんな挫折は。

今後、医療技術が発達して、すべての怪我、病気から逃れられるようになり、寿命さえもなくなったらなんでもチャレンジし放題。

やりとげる意思のある人は、時間的制限が無くなるから、挫折とは無縁になるかも。時の流れに耐えられれば。

そうなると「もういいや」って思った人から死んでいくようになる。公共自殺施設みたいなところで。

強欲な人はいつまででも生き続けることができる。
果たして長生きが幸せか?なんて論じる人も増えていって、集団自殺する宗教も珍しくなくなり、問題視もされなくなる。

争いは減り、人は金よりも本質的な幸せを求めるようになり、国民のことをちゃんと考える理想的な人間が首相となる。


そしていつか、魂の実在が証明され、死んだ人と話せる機械が発明された、というニュースが流れる。

あの世との初交信はテレビやインターネットで全世界にライブで公開される。

あの世の人間いわく「この世とは魂の修行の場で、修行が足りない人ほどこの世に長くとどまるようになっている」とのこと。

長生きしている人たちは落胆。あの世からの言葉は続く。
「落胆しなくて大丈夫。もう修行しなければいけない魂はいなくなった。来月、地球のそばを隕石がかすめ、地上の生き物はすべて死に絶えるようになっている。安心してこちらにいらっしゃい」

果たして隕石が訪れ、地上の生き物は全滅。

その一週間後、まっさらになった地面で、マンホールみたいな蓋がパカッとあいて、時の総理大臣とその秘書が出てくる。

「やあ、本当になにもなくなった」
「皆、パニックになることもなく、安らかな最後を迎えてくれましたね」
「しかし、彼らには悪いことをした」
「仕方がありません、死ぬものがいなくなり、地上には無益な人間が溢れすぎました。たまに自殺用の宗教を作りましたが、焼け石に水」
「そんな折り、彗星の報告がはいった」
「なにもしなければ、人類の絶滅は必須。かといって、シェルターに収容可能な人数には限りがある」
「皆、生きることに慣れすぎ、理不尽な死など到底受け入れられるとは思えなかった。パニックは必須だっただろう」
「そこで、あの世との交信をでっち上げた。大量の間引きにもなるし、一石二鳥、みごとな決断です」
「あそこまで皆が信じるとも、正直思っていなかったがな」
「最近は新しい人間も少なかったですからね。平均年齢も500歳は過ぎていた。延々と続く平坦な人生に画期的な発明やニュースで、心が浮き立っていたのでしょう」
「だがなあ、君も知る通り、私は国民すべてが幸せでいられる政治を志してきた。いらない議員は徹底的に減らし、国民の声を第一に聞き入れてきた」
「あなたが首相になってから国民の幸福度数は10%から99%まで上がりました。支持率は常に100%。私も尊敬しています」
「その私が、このような全国民を騙すような決断を」
「仕方がないのです。国民の誰もが、あなたを信頼している。あなたがいれば、また人類はやり直せる。あなたがいなければ、人類はまた奪い合いの世界に戻るだけでしょう。それに、もっと生きたいと表明した人間はこっそりシェルターに誘い込んだ。死にたくないのに死んだ人間はほぼいないはずです」
「私も一度はそう思った。だが、果たしてそうだろうか。確かに、死んだ民は私を、私がでっち上げたあの世を信じたまま死んでいっただろう。だが生き残った皆は違う。私が国民を裏切ったことを知っている。そしていつかまた裏切られるかもしれないことも。
さらに見たまえ、この荒野を。文明もなにもないこの荒れ地で、私が善政を敷けるとは到底思えない。私もともに死ぬべきだった。この決断を下したときに、私はすでに挫折していたのだ」






Netflix火花お題「夢と挫折」



Sponsored by Netflix