太田胃散とアクリル絵の具
久々にアクリル絵の具を使った。
絵を描いたわけではなく、太田胃散の箱を細工して小さい箱に作り変えたヤーツに色を塗ったのだ。
不透明な青で下地を作って、その上から透明のパール的な水色、黄緑、明るい紫などを重ね、最後はマットな仕上げ材を塗って完了。
結構キレイに塗れた。元は太田胃散の箱なのに。キラキラ輝き、まるで宝箱。
ちょっと渋さがたりなかったか。
きっかけは、ポケットゲームのコマ入れがないと思ったこと。
こんどの旅行用に、ハンズでポケットゲームを買ったのだ。
しかし、付属のコマがバラバラとしている。ボード内に無造作に管理するタイプだった。
ゲーム中、全てのコマを使用するわけでもないので、コマをしまっておくための箱もあってしかるべきであろう。
そう思った時、目についたのが机の上の太田胃散。
酒に必ず内臓をやられる俺にとって、10年来の戦友だ。
「俺の家を使っていいんだぜ……なに、俺とお前の仲じゃないか」
そうか、そこまで言うのであれば、貴様の家を使わせてもらおう。
そんな流れで作りはじめたコマ入れ、もうヤバイな。
紙でできた箱を切って、貼って、組み立てて、色を塗り、仕上げする。
こんなレベルでも、何かを作るのは楽しすぎる。
遁走の先に、この楽しみがあったからこそ、今日もイライラの地からさっさと引き上げてきたのだ。
引き上げた先には楽しみが待っている、そう思ったから。
ああまさに遁走、まさにサボり
仕事をほっぽらかし、帰ってただ寝るのではなく、もっと楽しいこと、好きなことを行うというこの背徳感、裏切った感が、ストレスですり減った俺の魂をぐんと回復してくれる。
そして思っていた以上の仕上がりとなった時の、この何というか、俺天才感?
ちょー気持ちいい。
端材が残っているから、木で箱を作っても良かったかな。
でもおがくずの片付けが結構たいへんなんだよな、一人暮らしの部屋でやっちまうと。
サンドかけると、なんかしばらくは妙にほこりっぽくて肺に悪そうだし。
カンナは削りカスがサンドの比じゃないし。
実家は庭があったから良かったんだが、都会の一人暮らしはこういうところが不便だな。
早く都会から逃れ、もう少しスペースの取れる土地で暮らしたいな。
彼女さんと一緒に。